地方公務員の建築職は、地方自治体で、公共施設や建築物の設計、建設、維持管理、安全管理などの仕事に従事する職種です。

各地方自治体によって異なりますが、建築職は建設・土地整備課や施工管理部門や、出先機関などに勤務します。

また、各地方自治体によって建築職の職種の呼び方が異なる場合があり、例えば以下の通りです。

  • 建築
  • 建築職(技術職)
  • 技術職(建築)
  • 建築技術職員
  • 建築技師
  • 専門職(建築)

※このページでは、以上の職種を「建築職」として説明していきます。

以下では、地方公務員の建築職の一般的な仕事内容や、新卒・既卒で建築職の地方公務員になるには、中途採用で民間から建築職の地方公務員へ転職するための方法を詳しくお伝えしていきます。

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地方公務員の建築職の一般的な仕事内容

地方公務員の建築職の一般的な仕事内容

地方公務員の建築職は、多様な業務を担当しており、設計の外部委託や入札、予算の計画、地域の住環境の改善や住宅の供給、災害対応や復旧支援、都市・まちづくりの計画などが主な仕事内容です。

具体的な建築職の仕事内容として、以下で説明していきます。

建築物の建設や維持管理

建築職は、公共施設や行政の建物の建築や改修などの維持管理を行うことが仕事です。

具体的には、建築プロジェクトの立案・計画、図面の作成、施工業者の選定、建築基準法に基づいた審査・指導、工事進行の監視などが含まれます。

また、公共施設や行政の建物の設計業務を外部の専門設計事務所等に委託し、設計の外部委託や入札、予算の計画なども行います。

地域の住環境の改善や住宅の供給

各地方自治体における住宅政策における、空き家対策、公営住宅の整備管理も建築職の仕事内容の1つです。

地域の住環境改善や住宅問題の解決を促進し、市民の生活の質向上に貢献します。

また、空き家の再生や公営住宅の整備により、住宅供給と住環境の向上を両立させ、持続可能なまちづくりを行います。

建築関連法令の遵守

地域の安全と建築物の品質を保つため、建築物の設計・施工・利用に関する法令や規制を遵守するため、計画審査や監督指導を行うことも建築職の仕事です。

建築基準法や都市計画法などの法令に従い、建物の用途や構造、耐震性などの審査を行い、法的な制約を確認します。

また、建築計画や設計図面の提出審査、現地の工事監督、完成後の確認検査を通じて、建物が法令に準拠しているかを確認し、安全かつ適切な状態で利用されることを確保します。

災害対応や復旧支援

自然災害や災害時の建築物の被害状況の評価や被災者の住宅支援を行うことも建築職の仕事の1つです。

被災地での建物の損傷状況を調査し、安全性や利用可能性を判断します。

具体的には、被災者の住宅需要に応じて仮設住宅や避難施設の設営・運営を計画し、適切な住まいの提供を支援します。また、復旧・修繕の計画立案や適切な補助金制度の案内を行い、被災地の建築物の早期復興を支援します。

都市・まちづくりの計画

一般的に土木職等の職員と一緒に、建築職は、地域社会の発展や市民の利益を考慮して、都市やまちの将来の姿を計画・整備していきます。

(魅力的な仕事内容ですが、すべての建築職が携わるわけではなく、建築職の中でも人気が高い仕事内容です。)

具体的には、計画策定、用途地域の設定、街並みづくり、公益施設の配置、交通計画、プロジェクトの進捗管理などが主な職務となります。

新卒・既卒で建築職の地方公務員になるには

新卒・既卒で建築職の地方公務員になるには

新卒(又は既卒)で建築職の地方公務員になるためには、応募要件を満たし、地方公務員採用試験に合格する必要があります。

試験を受ける地方自治体にもよりますが、建築士1級や建築施工管理技士等の専門資格は必要ない場合が多いです。

そのため、応募要件は年齢、学歴、専門課程を専攻等となり、以下で詳しく説明していきます。

要件を満たす:資格は不要で年齢・専門課程を確認

建築職を募集する地方自治体によって異なりますが、建築職の場合は専門的な資格(例、建築士1級・2級など)が必要ない場合が多いです。

そのため、建築職の公務員採用試験を受けるためには、年齢の要件を満たしていることや、学歴や建築の専門課程を専攻し、卒業が必要な場合が多いです。

新卒(又は既卒)向けの要件を具体的にまとめると、以下の通りです。

年齢の要件 年齢要件として28歳~29歳までが多い
学歴 学歴が高等学校卒業、短期大学卒業、大学卒業など指定されている場合が多い
専門課程 学校で建築の専門課程を専攻していることを条件にしている場合も多い
専門資格 求められない場合が多い
(建築職の仕事上、普通自動車免許の資格はあった方が良いでしょう。)

※地方自治体によっては年齢のみ、又は年齢・学歴の要件のみの場合もあります。

多くの地方自治体の場合、高校や大学などの学歴によって建築職の募集時期を分けているケースがほとんどです。

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採用試験:建築職の公務員採用試験の難易度

建築職の採用試験では、地方自治体によって異なりますが、以下の試験内容が一般的です。

教養試験 教養試験、職場適応性検査・性格特性検査、SPI3など
専門試験(建築) 数学・物理、情報技術基礎、建築構造設計、建築構造、建築計画、建築法規、建築施工に関する択一式による筆記試験など
面接試験 集団面接、個別面接など

※試験の内容は各地方自治体によって異なります。
※試験の難易度は、各地方自治体の応募者数によって変動します。

中でも、建築職は他の職種に比べて求人倍率が低い傾向が見られるため、一般的には難易度が高くはないでしょう。

ただし、建築職の試験においては専門試験が実施されるため、公務員試験に対する適切な対策が必要です。

専門知識やスキルが求められる分野のため、志願者はこれを踏まえた準備を行うことが重要です。

採用:4月1日

新卒(又は既卒)の場合は、基本的に採用時期を4月1日としている場合がほとんどです。

そのため、既卒の方も4月1日の入職を目指す必要があります。

中途採用で民間から建築職の地方公務員へ転職する

中途採用で民間から建築職の地方公務員へ転職する

中途採用で民間企業等から建築職の地方公務員へ転職する場合、応募要件を満たし、公務員採用試験に合格する必要があります。

地方自治体によって異なりますが、「社会人枠」や「経験者枠」などの中途採用の建築職の人材を確保することに力を入れています。

応募要件に関しては各地方自治体によって異なりますが、主に年齢、経験、学歴、専門資格の4つの要件が問われます。

※社会人の場合でも、募集要件(特に年齢)が新卒(又は既卒)の条件に当てはまっていれば、新卒の枠で受けることも、もちろん可能です。

以下で詳しく説明していきます。

年齢要件は緩和されている

任期が高い地方自治体以外は、建築職の職員が不足している場合が多いです。

そのため、各地方自治体によって異なりますが、年齢要件は緩和されており、30歳未満、40歳未満、50歳未満までなど様々です。

30歳になったから地方公務員へ転職することは難しいと考える方も多いですが、建築職の場合は年齢を気にすることなく、採用試験に応募することが可能です。

その他要件:経験、学歴、専門資格

中途採用で地方公務員の建築職になるために、年齢以外の経験、学歴、専門資格の要件がハードルとなる場合が多いです。

一般的に、中途採用の地方公務員で建築職に求められる要件は以下の通りです。

学歴 求められるケースは少ない
専門課程 学校で建築の専門課程を専攻していることを条件にしている場合も多い
経験 民間企業等における設計監理や施工管理業務での経験
(2年、3年、5年等の具体的な経験年数が求められる場合が多い)
専門資格 求められるケースも多い
(建築士(1級・2級)、建築施工管理技士など)

中途採用の建築職の場合、業務の経験年数と専門資格のいずれかがハードルとなります。

しかし、地方自治体によっては、「経験のみ」「専門資格のみ」が受験要件の場合もあります。

そのため、ご自身が転職を希望する地域で、求人情報(採用試験情報)をまずは探すことがおすすめです。

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採用試験:中途採用の地方公務員採用試験の難易度

中途採用の建築職の採用試験では、地方自治体によって異なりますが、以下の試験内容が一般的です。

教養試験 教養試験、職場適応性検査・性格特性検査、SPI3など
専門試験(建築) 数学・物理、情報技術基礎、建築構造設計、建築構造、建築計画、建築法規、建築施工に関する択一式による筆記試験など
※専門試験がない場合もある
面接試験 個別面接など

※試験の内容は各地方自治体によって異なります。
※試験の難易度は、各地方自治体の応募者数によって変動します。

新卒(又は既卒)と比較すると、中途採用の難易度は高くなる傾向にあります

理由としては、採用倍率が高くなる傾向が強く、さらに地方自治体によっては中途採用の枠を設けていないケースもあるためです。

しかし、建築職が不足している地方自治体の場合は、積極採用も行っているため、転職を検討する地域にもよるでしょう。

採用:随時・10月1日・4月1日

中途採用の建築職の場合、採用時期に関しては、各地方自治体によって様々です。

ただし、多くの自治体の場合、受験者の希望を考慮して決定することを明記していますので、面接試験までに働くことが可能な時期を検討しておくと良いでしょう。

また、多くの中途採用の場合、随時採用、10月1日採用、4月1日採用などが一般的です。

まとめ

新卒や既卒、中途採用等で建築職の地方公務員になるための情報をご紹介してきました。

新卒や既卒などの一般試験で建築職の地方公務員になる場合は、受験する地域にもよりますが、他の職種と比較すると難易度はそこまで高くないでしょう。

また、中途採用の場合は、新卒や既卒などと比較した場合、難易度は高くなりますが、こちらも他の職種と比較すると難易度はそこまで高くないと言えるでしょう。

是非、公務員採用試験・求人の公務inで、建築職の公務員試験情報を検索してみてください。

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ABOUTこの記事をかいた人

キャリアコンサルタント(国家資格) 真下 彩花

新卒で東証スタンダードに上場している会社に入社し、個人事業主・税理士などの経理・税務サポートを担当後、半導体・電子部品等の最大手(東証プライム上場)に転職し、営業支援に従事する。その後、ベンチャー企業での経理・採用経験を経て、2019年から株式会社pekoにて、公務員試験・求人情報「公務in」の運営、キャリアアドバイザーとして多くの転職者のサポートを担当中。

参考文献等

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