多くの獣医師の方は、動物病院に勤務することや、動物病院の開業を目指す場合が多いのではないでしょうか。
しかし、獣医師の免許を取得している、又は免許取得見込みの方は、動物病院以外にも、動物園・水族館・公営競馬、国家公務員(農林水産省・厚生労働省)、地方公務員、家畜診療所、製薬会社などの勤務先があります。
皆様は、地方公務員の獣医師には、どのような印象を持っているでしょうか。実際に、地方公務員の獣医師として働く人たちがいるおかげで、私たちの生活や暮らしは成り立っています。
今回は、県庁や市役所等で働く地方公務員の獣医師のメリット・デメリットや業務内容、やりがいをご紹介します。
申込期限:2025年1月31日(金)
地方公務員の獣医師とは?業務内容について
地方公務員の獣医師とは、主に地方自治体(県庁や市町村の役所)に勤務し、公衆衛生、動物福祉、食品安全、環境保護など、幅広い分野で業務を担当します。
例えば、動物病院に勤務する獣医師は基本的にマンツーマンで動物の治療を行いますが、地方公務員の獣医師は県民や市民、動物、施設に対して一対多で対応する違いがあります。
そのため、業務内容は広範囲に及ぶことが多く、専門性と多様性が求められます。
地方公務員の獣医師の業務内容
地方公務員の獣医師は、主に以下の6つの業務を行います。(勤務する自治体によって異なるため注意してください。)
食品衛生 | 食品の安全性を確保するための検査と監視 |
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狂犬病予防 | 狂犬病の予防接種の推進と発生時の対応 |
生活(環境)衛生 | 公共の環境衛生を維持・改善する活動 |
動物愛護管理 | 動物の適切な飼育と保護、虐待防止の指導 |
食肉衛生 | 食肉の品質と安全性を確保するための検査 |
試験検査・研究 | 動物関連の疾病予防や安全性確認の試験・研究 |
また、地方公務員の獣医師は、公衆衛生と家畜衛生の分野に分けることができ、公衆衛生分野では、食肉・食鳥の検査、食中毒の予防と調査、食品表示の監視、動物愛護活動、狂犬病予防に取り組みます。
一方、家畜衛生分野では、家畜疾病の防疫、飼育環境の管理指導、繁殖技術の普及、飼料の安全性監視、畜産物の安全確保と人獣共通感染症の対策を行います。
公務員獣医師の人数
農林水産省の「獣医師の届出状況(獣医師数)令和4年」を見ると、40,455人の獣医師の中で、公務員の獣医師数は、都道府県職員で6,568人、市区町村職員で2,092人、国家公務員で553人となっています。
国家公務員 | 553人(全体の1.4%) |
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地方公務員 | 8,660人(全体の21.4%) |
※出典:農林水産省 獣医師の届出状況(獣医師数)令和4年
※獣医師の総数:40,455人
※地方公務員は、都道府県職員(6,568人)と市町村職員(2,092人)を足した数を表示しています。
都道府県職員の獣医師が多い理由としては、都道府県は広域的な業務を、市町村は地域密着型の業務を主に担当している場合が多いためです。
地方公務員の獣医師になるデメリットとは?
地方公務員の獣医師になるデメリットは何でしょうか。主に動物病院に勤務する獣医師と比較しながら、地方公務員の獣医師のデメリットを説明していきます。
残業(時間外勤務)は覚悟する必要がある
他の獣医師が働く職場と比較して、地方公務員の獣医師は残業が少ない傾向にありますが、これは勤務する自治体によって異なる場合があります。
しかし、地方公務員の獣医師は、動物の保健衛生管理や疫病予防など、急を要する状況に対応するため日常的に長時間労働を伴うこともあります。
特に、鳥インフルエンザの流行やその他の突発的な健康危機や災害時には、通常業務時間外であっても出動する必要が生じます。
そのため、突発的な残業に対応する準備が必要となることは、地方公務員の獣医師のデメリットの一つです。
ただし、動物病院勤務の獣医師と比較すると、全体的には残業が少なく、プライベートの時間を充実させやすいと言えます。
業務の多くに文書申請が必要でルールが多い
地方公務員の獣医師の業務には、多くの文書申請と厳格なルールが伴います。
これらは公共の安全と動物の福祉を確保するために不可欠ですが、動物病院などの経験がある獣医師にとっては、文書申請の多さに慣れるまで時間がかかる場合があります。
さらに、改善が難しいとされる不要な申請方法や書類が存在するため、これらの手続きの中には無駄が多いと感じる人もいます。
そのため、多くの文書申請と多数のルールが必要なことは、地方公務員の獣医師にとってのデメリットです。
また、動物病院を経験した獣医師にとっては形式的な書類作業にストレスを感じる場合もあるでしょう。
体力が必要な仕事がある
地方公務員の獣医師の業務には体力を要する作業が多く含まれます。
特に家畜保健衛生所や食肉衛生検査所(と畜検査)では、体力的に厳しい作業が多いため、新人や部下がこれを率先して行う傾向がある自治体も少なくありません。
また、その他の部署でも、大型動物である牛や馬を安全に扱う必要があるほか、疫病の発生が疑われる場合や災害時には、迅速な対応のため現場に出向くことや、広範囲にわたる地域を担当している場合には一日の大部分を移動と作業に費やすことが求められます。
これらの要因から、体力が必要な仕事が多いことは、動物病院に勤務する獣医師と比較した場合のデメリットです。
部署によってはルーチンワーク
地方公務員の獣医師が勤務する部署によっては、特定の業務が極めてルーチンワークになることがあります。
例えば、食鳥検査センターでは、公衆衛生を保護するために、屠殺された鳥が食用として安全かどうかを確認する作業が行われます。ここでは、獣医師が毎分約100羽の鳥を検査するという高速で繰り返しの多いルーチンワークが求められます。
このような単調なルーチンワークは、時間が経つにつれて精神的な負担となり、やりがいを感じにくくなるデメリットがあります。
ただし、ルーチンワークを苦に感じない獣医師の方や、仕事のローテーションを取り入れている自治体では、これがデメリットとは感じられないかもしれません。
※実際には業務範囲が広いため、覚えなければならないことも多いです。また、上司の仕事の割り振りにもよります。
部署によってはクレーム対応がある
地方公務員の獣医師は地域の人々と関わることがあります。
特に、保健所や動物愛護センターでは、地域住民と直接関わるため、苦情やクレームの電話が多くかかってくる傾向があります。
これらの対応は精神的な負担となり、地方公務員の獣医師にとってデメリットとなる場合があります。
しかし、地域住民からの苦情やクレームは、困っていることが原因であることが多く(中には理不尽なものもありますが)、適切に対応することは公衆との信頼関係を築く上で非常に重要です。
地方公務員の獣医師として、苦情やクレームへの対応スキルを持つことは、専門職としての能力を示すとともに、公共の利益を守る上で不可欠な役割でもあります。
新しいことにはチャレンジしにくい
これは地方公務員の獣医師に限ったことではありませんが、地方公務員全体として、前例を重視し、個人的なアイデアが採用されにくい傾向にあります。
そのため、地方公務員の獣医師が新しい技術や方法にチャレンジしにくいというデメリットがあります。
また、変更を実施するためには、先輩、係長、課長等の順番に決裁や承認を得る必要があり、革新的な試みを阻害する要因となることもあります。
ただし、地方自治体の中には、これらの課題に対処するため、継続的な教育と組織内の文化変革に取り組んでいるところもあります。
動物と触れ合う機会は少ない
地方公務員の獣医師は、仕事内容が多岐にわたるものの、配属される部署によっては動物と直接触れ合う機会が意外と少ない部署も存在します。
特に公衆衛生業務を担当する場合、動物と触れ合う機会はほとんどありません。
そのため、動物好きで獣医師になった方にとって、地方公務員の獣医師はデメリットに感じることがあるでしょう。さらに、動物と触れ合える部署でも、主に牛や豚などの家畜と関わることが多く、犬や猫などの小動物と関わりたい場合には、仕事に楽しみを見出すことが難しいかもしれません。
地方公務員の獣医師としてのキャリアを考える際には、具体的な職務内容を理解し、動物と直接触れ合う機会の多さを重視するかどうかを検討することが重要です。
定期的な異動がある
地方公務員の獣医師に限らず、公務員には2~3年ごとに定期的な部署異動があります。
異動にはメリットもありますが、その辞令を断ることは難しいため、デメリットとも言えます。
異動によって新しい部署への適応のストレスやプライベートへの影響が生じる可能性があります。また、長期的なプロジェクトや専門知識を要する業務に従事している場合、異動によってその業務の質や成果が低下することもあります。
年功序列のため評価が行われにくい
地方公務員の獣医師に限らず、公務員には年功序列のため、個人の評価が行われにくい傾向があります。
公務員は、経験年数や勤続年数が主な昇進や報酬の決定要因となるため、長く勤めることが評価され、年数が多いほど高い地位や給与が与えられる傾向にあります。
つまり、仕事を頑張っても頑張らなくても人事評価にはそこまで影響しないということです。
そのため、実力があっても昇進や報酬の面でなかなか評価されず、特に若手職員のモチベーションが低下する可能性があり、デメリットに感じることがあります。
また、裏を返せば、年功序列で賃金が上がっていくことはメリットの一つでしょう。
地方公務員の獣医師になるメリットをご紹介
地方公務員の獣医師になるメリットはあるのでしょうか。こちらでも、動物病院に勤務する獣医師と比較して、メリットを紹介していきます。
専門知識を活かし多くのことに出会える環境がある
地方公務員の獣医師になるメリットの一つは、専門知識を生かしながら、新しい多くのことに出会える環境があることです。
例えば、地方公務員の獣医師は、公衆衛生、疫病管理、食品安全、動物福祉、環境保護など、多岐にわたる分野で活動し、獣医師としての専門性をさまざまな形で活かすことが可能です。また、社会的な影響力を持つ仕事をする機会が増えます。
さらに、自治体のさまざまな部署で働くことができるため、都市部の研究施設から農村部の動物保健施設まで、多様な職場環境で経験を積むことができます。
そのため、地方公務員の獣医師として専門的なスキルと知識を広く活用し、社会全体の利益のために貢献する機会が豊富にあるという点で、大きなメリットがあるでしょう。
プライベートな時間が確保しやすい
勤務する自治体にもよりますが、地方公務員の獣医師は、突発的な残業がない限り定時で上がることが可能です。
また、残業があった場合には残業代を申請でき、休日出勤の場合は休日手当や代休が付きます。さらに、公務員には安定した休暇制度が設けられており、年次有給休暇のほか、夏季休暇や年末年始の長期休暇なども保証されています。
このように、地方公務員の獣医師は、動物病院で勤務する獣医師と比較すると、比較的プライベートな時間を確保しやすいことがメリットです。
女性獣医師として長期的に活躍できる
地方公務員の獣医師としてのキャリアは、女性獣医師にとって非常に魅力的な選択肢であり、メリットがあります。
選考段階(公務員採用試験)から男女の別なく公正な試験が行われ、性別に関わらず、本人の能力と適性によって合否が決定します。
さらに、公務員が提供する安定性、キャリア開発の機会、そしてワークライフバランスを重視する環境は、女性が職場で長期的に活躍しやすい条件を整えています。具体的には、育児・介護休暇制度の充実や、フレキシブルな勤務体系などが挙げられます。
そのため、女性獣医師が長期的に活躍できることがメリットです。
福利厚生が充実している
地方公務員の獣医師になるメリットの一つは、充実した福利厚生です。
具体的には、健康保険、年金制度、休暇制度、退職金制度などがあります。これらの福利厚生の充実は、公務員としての安定した職生活を支える重要な要素であり、長期的なキャリア構築に大きな魅力を提供します。
そのため、新設の動物病院や動物病院の勤務医と比較すると、福利厚生の面で大きな差があります。
定期的な異動がある
地方公務員の獣医師における定期的な部署異動はデメリットとしても挙げられますが、人間関係を考慮すると、メリットの方が大きい場合もあります。
一般的に、地方公務員の獣医師は2年から3年ごとに部署を異動します。そのため、仮に職場に自分と相性の悪い人がいても、耐えることでやがて移動が可能です。これにより、人間関係が円滑に保たれることが多いです。
さらに、異なる部署や地域で働くことで、様々な種類の業務経験を積むことができます。これにより、幅広いスキルを身につけることや、広い範囲の職場関係を築くことが可能です。
また、勤務する自治体によりますが、多くの職場では人間関係が円滑です。
収入が安定している
地方公務員の獣医師に限らず、公務員の給与体系は基本的に年功序列を採用しています。これにより、勤続年数が増えるにつれて、すべての公務員が平等に昇給し、給料が必ず上がることになります。(もちろん、個々に昇格試験などもあります。)
さらに、年2回の賞与(勤勉手当および期末手当)は業績に左右されることなく一定額が支給されます。
地方公務員の獣医師として働く最大のメリットは、このような収入の安定性です。
さらに、公務員の職は経済の波があっても比較的安定しており、リストラや失業のリスクが非常に低いです。例えば、勤務している動物病院が倒産するような事態は発生しません。
解雇リスクがない
地方公務員の獣医師としてのキャリアにおいて、もう一つの大きなメリットは、解雇リスクが非常に低いことです。
例えば、コロナ禍の期間中、多くの企業が苦境に立たされ、大企業であっても解雇のリスクから逃れられない状況でした。これに対し、公務員の職は高い雇用の安定性を提供し、経済的な不確実性が高い時期でも職を保持しやすい大きな利点です。
ただし、地方公務員法を違反した場合は、最も重い懲戒処分である懲戒免職が科されることもありますので、注意が必要です。(普通に獣医師として働いている限り、解雇されるリスクはほぼゼロだと思います。)
地方公務員の獣医師のやりがい(体験事例)
地方公務員の獣医師としてのキャリアは、多岐にわたる分野で専門知識を活用し、幅広い社会貢献を行うことが可能であり、これが大きなやりがいとなっています。
以下では、一般的な地方公務員の獣医師のやりがいと、都道府県庁や市町村で働く獣医師の体験談を合わせてご紹介します。
多職種との連携
地方公務員の獣医師は、様々な専門職と共に働く機会が豊富にあります。様々な専門職の方と働くことにより、獣医学の枠を超えた広範な知識を身につけることができます。
例えば、公衆衛生の専門家、農業技術者、法律家などとの協働は、新たな視点を提供し、問題を解決するための多様なスキルを育むことが可能です。
また、困難な課題に直面した際には、専門家と協議を行い、効果的な解決策を見出す過程は、大きな達成感と学びをもたらすでしょう。
獣医師の体験事例
多職種との連携の中で専門分野の垣根を超えた知識が手に入ります。
獣医職だけでなく、様々な職種の職員と一緒に業務を行っているため、学生時代に触れることのなかった知識を得ることができます。困った際にはグループを超えて相談して課題を解決しています。
出典:神奈川県庁
広範囲にわたる業務内容
地方公務員の獣医師は、食品の安全確保から感染症の予防、動物愛護といった多様な領域で活動します。
特に食品衛生や感染症対策では、公衆の健康を直接守る責任を担い、その業務が社会全体に与える影響を実感することができます。
また、地方公務員の獣医師として新しいプロジェクトを立ち上げたり、既存のプログラムを改善したりすることで、実際に地域社会や府民の生活が向上する様子を見ることは、非常にやりがいがあるでしょう。
獣医師の体験事例
食の安全を守ったり、感染症のまん延を防止したりと、幅広い分野に携わり、専門知識や技術を使って社会に貢献できることが魅力です。新たな発想で新規事業を立ち上げたり、既存事業を改善すること等により、府民の健康を守ることに広く貢献できるので、非常にやりがいを感じています。
出典:大阪府 職員ロングインタビュー【獣医師】
家畜は農家にとって財産であり、自分の行った検査次第で、時としてその財産を奪わなければならないこともあります。また、家畜伝染病の発生は、社会的にも注目を浴びます。そのため、どの業務であっても常に責任感と緊張感をもって行わなければなりません。そして、そのような重要な仕事を行えることにやりがいを感じます。
出典:奈良県【資格職(獣医師)】奈良県職員インタビュー紹介
社会的な影響と貢献
地方公務員の獣医師は、家畜の健康管理や疾病予防だけでなく、動物愛護センターでの活動を通じて、直接地域社会に貢献する機会もあります。
犬猫の適切な飼育方法や病気予防の大切さを市民に教育することは、公衆衛生の向上に直結し、動物と人間の共生を促進します。
また、動物を救助し、新たな家庭へと送り出すことができた時の喜びや感謝の声は、獣医師としての使命と誇りを感じさせてくれます。
獣医師の体験事例
新たに開所した動物愛護センターなどで、子供達や県民の方に、動物の習性や飼い方など正しい知識と病気の予防の大切さをもっと、もっと伝えていくことが、公衆衛生に携わる獣医師の使命であり、獣医師として輝ける分野です。
出典:美の国あきたネット 若手職員インタビュー・実務紹介(獣医師(生活環境部))
動物の管理指導等で現場に出ることもありますが、犬猫を動物病院にも連れていくことができない環境にある飼い主から、他部署や動物愛護団体の方々と連携して手を差し伸べることができた際に「助かりました。」とお礼を言われることもあり、保健所が飼い主にとって頼れる最後の砦であることや、その社会貢献度の高さを実感しています。
出典:松山市 先輩職員インタビュー
動物愛護センターでは収容された犬猫の譲渡、動物取扱業や特定動物施設の指導立入、犬や猫に関わる住民からの苦情対応など、幅広い業務を行っています。特に、放浪犬を捕まえる仕事はとても緊張しますが、同僚職員と協力し無事に捕獲した後は、人への危害防止や住民の不安を払拭できたことに達成感を感じます。
また、センターでの検査や治療には限りはありますが、負傷した犬猫が無事治癒し、譲渡できたときにはやりがいを感じます。
出典:福島県 動物も人も守る獣医師(動物愛護センター)
人々の生活に直接的に影響する
地方公務員の獣医師の業務は、人々の生活に直接的な影響を与えることが多く、その責任は大きいですが、それに伴う達成感もまた大きいです。
例えば、食肉の検査を通じて安全な食品の供給を保証することや、感染症の予防活動を通じて公衆の健康を守ることは、多くの人々の日常生活に安全と安心を提供します。
地方公務員の獣医師としての行動一つ一つが、広い範囲での健康と福祉に貢献していると感じる瞬間は、獣医師としての責任感やプロ意識を高めます。
獣医師の体験事例
自分が検査した食肉が、実際にスーパーなどで並んでいるのを見るとより責任を感じますし、大分県産のお肉を家族と食べる時には、このお肉を私が検査したといつも言っています。それは冗談として、自分の日々の仕事が安全な牛・豚肉の流通に直結していることも実感できるので、とてもやりがいを感じます。
出典:大分県#わたしが公務員になった理由
衛生研究所臨床微生物担当では、感染症法に基づき、赤痢や腸管出血性大腸菌感染症などの腸管系細菌感染症、レジオネラ症や結核などの呼吸器系細菌感染症等に関する検査・研究を実施しています。具体的には、患者の病原体の詳細な解析、患者と接触した人の検便や結核感染診断などがあります。
現在の仕事は直接県民と顔を合わせる機会がほぼありません。しかし、間接的に県民の安心・安全に寄与できるものです。そのことにやりがいを感じています。
出典:埼玉県 先輩職員からのメッセージ
まとめ
地方公務員の獣医師は、専門性を活かして多様な業務に従事し、地域社会に大きく貢献することができる職種です。
業務内容は食品衛生の確保、感染症予防、動物愛護の推進など多岐にわたります。特に、多職種との連携を通じて、獣医職だけでなく他の専門分野の知識も得ることができ、これにより困難な課題を解決する際の助けとなります。
地方公務員の獣医師のメリットには、公務員としての職務の安定性、定期的な昇給や賞与、充実した福利厚生などが含まれ、多職種との協力や様々な業務を通じた専門知識の拡大は、自身の成長にもなります。
一方、デメリットとしては、ルーチンワークに陥りやすい部署があることや、場合によっては残業や緊急出動が多いことが挙げられます。また、一部の業務では直接的な成果が見えにくいこともあり、これがモチベーション維持に影響することもあるでしょう。
しかし、地方公務員の獣医師としてのやりがいは非常に大きく、特に社会的な貢献度が高い業務に従事することで、その重要性と職業への誇りを感じることができます。
地域コミュニティと密接に関わりながら、人々の健康と安全を守ることは、この職種の大きな魅力の一つではないでしょうか。