国家公務員、地方公務員、みなし公務員(非公務員・準公務員)が勤務する病院は大きく分けて4つあります。
- 国立病院
- 公立病院
- 公的病院
- 大学病院
などで、この種類に公務員ではない職員がない「一般病院(総合病院・クリニックなど)」などが加わります。 以下で公務員が勤務する病院の種類を詳しく説明していきます。
1.国立病院
国立病院は厚生労働省が直接運営している病院、または厚生労働省所管の独立行政法人として運営している病院を言います。
独立行政法人は87法人あり、独立行政法人国立病院機構、独立行政法人労働者健康安全機構などが該当します。
病院の詳細は「独立行政法人一覧(令和5年4月1日現在) PDF」から確認してください。
職員の身分
国立病院で働く職員の身分は、基本「みなし公務員(非公務員・準公務員)」が多いと言えるでしょう。
しかし、厚生労働省が直接運営している病院(例:宮内庁病院など)で働く場合、職員の身分は「国家公務員」となります。
2.公立病院
公立病院は、都道府県や市町村などの自治体が運営する病院または診療所のことを言い、市立病院や県立病院なども公立病院となります。
また、公立病院は全国で4,500施設を超えており、2016年度には年間5,000億円の税金も投入されており、赤字を抱えている病院も少なくありません。
職員の身分
公立病院で働く職員の身分は基本的(※1)に「地方公務員」となります。(※1自治体直営の場合のみ。)
例えば、自治体直営ではない「宮城県立こども病院」などに勤務する職員は地方公務員ではなく、みなし公務員(非公務員・準公務員)となります。
3.公的病院(公的医療機関)
公的病院は「公的医療機関」であり、医療法第31条において都道府県、市町村、地方公共団体の組合、
- 国民健康保険団体連合会及び国民健康保険組合
- 日本赤十字社
- 社会福祉法人恩賜財団済生会
- 厚生農業協同組合連合会
- 社会福祉法人北海道社会事業協会
が開設する医療機関とされています。 ※上記で説明した公立病院も、公的病院(公的医療機関)となるため注意しましょう。
職員の身分
公的病院(公的医療機関)で働く職員の身分は基本的(※1)に「地方公務員」となります。(※1自治体直営の場合のみ。)
4.大学病院
大学病院は、大学の付属施設である病院であり、
- 国立大学:国の政府によって運営又は設立されている大学
- 公立大学:地方自治体や公立大学法人が運営する公立学校である大学
- 市立大学:市によって設立された公立大学
以上の3つの種類に分けられます。
職員の身分
国や地方自治体、市などが設立や運営に携わっていますが、大学病院で働く職員は「みなし公務員(非公務員・準公務員)」となります。
5.まとめ
病院と職員の身分をまとめると以下の通りとなります。
国立病院 | 基本:みなし公務員 一部:国家公務員 |
公立病院 | 基本:地方公務員 一部:みなし公務員 |
公的病院 | 基本:地方公務員 一部:みなし公務員 |
大学病院 | みなし公務員 |
一般病院 | 公務員ではない |
みなし公務員でも公務員と同じ待遇が受けられることから、公務員という肩書にこだわりがない場合は、みなし公務員の身分を転職や就職で選んでも、公務員との待遇の差には問題ないと言えます。