皇宮護衛官(こうぐうごえいかん)は、日本の象徴である天皇皇后両陛下や皇族を護衛し、皇居や御所、御用邸など皇室関連施設の安全を守る特別な警察官です。
この重要な役割を担うためには、国家公務員としての専門試験である皇宮護衛官採用試験に合格することが必要です。
この記事では、皇宮護衛官になる過程、皇宮護衛官の階級とキャリアパス、そして皇宮護衛官に関するよくある質問について解説していきます。
皇宮護衛官について
まず、皇宮護衛官について知っておくべき組織の概要、皇宮警察と皇宮護衛官の役割の違い、そして仕事内容について詳しく説明していきます。
皇宮護衛官とは?組織について
皇宮護衛官とは、天皇皇后両陛下および皇族の各殿下を護衛し、皇居、御所、御用邸などの警備を専門に行う警察官であり、安全を守る重要な責務を担っています。
皇宮護衛官は皇宮警察本部に所属し、地方警察の警察署に相当する護衛署などに配属され、警備業務を行います。
皇宮護衛官が配属される組織は、警察庁に属する皇宮警察本部として運営されており、2部門10課、4つの護衛署、そして皇宮警察学校から構成されています。
皇宮警察と皇宮護衛官の違い
皇宮警察とは、「(上画像の)皇宮警察本部」を指します。そのため、皇宮警察(皇宮警察本部)は、天皇皇后両陛下や皇族各殿下の護衛と皇居、御所、御用邸などの警備を専門に行う警察です。
その、皇宮警察(皇宮警察本部)に所属している警察官が「皇宮護衛官」と呼ばれます。
皇宮護衛官はどんな仕事内容?
皇宮護衛官の仕事内容は、天皇皇后両陛下はじめ皇室の方々の護衛と皇居、御所等の警備に従事することです。
皇宮護衛官は、警察庁の付属機関であり皇宮警察本部に所属し、国家公務員として、護衛部門・警備部門・警務部門の三部門のいずれかで勤務します。
護衛部門 | <護身辺の安全を守る> 護衛部門は、皇族の安全を守るために皇居や御所での警護から外出・公式行事の護衛、乗馬やスキーなど多様な技能を駆使した訓練まで、幅広い活動を行っています。 |
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警備部門 | <皇居、御所等を警備する> 警備部門は、皇室施設の安全を確保し、特別なイベント警備計画の策定から消防活動まで、緊急時対応と日々の訓練を含む幅広い任務を遂行しています。 |
警務部門 | <皇宮警察の活動を円滑に運営する> 警務部門は、勤務体制から福利厚生まで組織運営の基盤を支え、音楽隊を通じて皇宮警察の広報活動も担う、働きやすい環境作りに努める部署です。 |
また、皇宮護衛官の中でも、護衛部門の護衛任務を専門に行う警察官を「側衛官(そくえいかん)」と呼びます。
皇宮護衛官の勤務地や転勤
皇宮護衛官の主な勤務地は東京都内の皇居と赤坂御用地です。そのため、多くの皇宮護衛官は東京での勤務となります。
ただし、以下の地域でも勤務する可能性があります。
東京都 | ・皇居 ・赤坂御用地 ・常盤松御用邸 ・高輪皇族邸 |
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神奈川県 | ・葉山御用邸 |
栃木県 | ・那須御用邸 ・御料牧場 |
静岡県 | ・須崎御用邸 |
奈良県 | ・正倉院 |
京都府 | ・京都御所 ・京都大宮御所・京都仙洞御所 ・桂離宮 ・修学院離宮 |
また、皇宮護衛官は配属後に定期的に異動が行われます。
皇宮護衛官の身分
皇宮護衛官の職員は、国家公務員である警察官の身分を持ちます。
ただし、一般的に「キャリア」「ノンキャリア」と称される職種とは異なる特殊な警察官です。
皇宮護衛官の給与は、「一般職の職員の給与に関する法律」の規定により公安職俸給表(一)が適用されます。
皇宮護衛官でも逮捕権を行使することは可能
警察法第69条の3項に基づき、皇宮護衛官は刑事訴訟法の規定に従い司法警察職員としての職務を遂行し、逮捕権を有することが明記されています。
しかし、一般の警察官とは異なり、皇宮護衛官の罪種に関する職権行使や活動場所には特定の制限が設けられています。
詳しくは、以下の警察法 第69条(皇宮護衛官の階級、職務等)第3項を確認してください。
警察法 第69条(皇宮護衛官の階級、職務等)第3項警察法 第69条(皇宮護衛官の階級、職務等)第3項
皇宮護衛官は、天皇及び皇后、皇太子その他の皇族の生命、身体若しくは財産に対する罪、皇室用財産に対する罪又は皇居、御所その他皇室用財産である施設若しくは天皇及び皇后、皇太子その他の皇族の宿泊の用に供されている施設における犯罪について、国家公安委員会の定めるところにより、刑事訴訟法の規定による司法警察職員としての職務を行う。
出典:e-GOV法令検索 警察法
皇宮護衛官になるには?
国家公務員の警察官になるためには、「皇宮護衛官採用試験(大卒程度試験)」又は、「皇宮護衛官採用試験(高卒程度試験)」に合格することで、警察庁に属する皇宮警察本部の皇宮護衛官として採用されます。(国家公務員試験後の官庁訪問はありません。)
また、皇宮護衛官の採用試験内容は、1次試験が筆記試験(基礎能力試験・論文(作文)試験)、2次試験では人物試験を始めとする身体検査・身体測定、体力検査が行われます。
採用後は、皇宮巡査に任命されたのち、皇宮警察学校において大卒経歴者は6ヶ月月間、その他の経歴者は10ヶ月間教養訓練を受けます。その後、 皇居や赤坂御用地をはじめ、1都1府 4県に渡り皇室用財産である場所や施設の警戒警備に従事します。
以下では、皇宮護衛官になるために、確認したい受験資格や身長・体重、試験内容などを詳しく説明していきます。
皇宮護衛官採用試験の受験資格
皇宮護衛官採用試験では、以下の受験資格が必要です。
大卒程度試験では30歳以下、高卒程度試験においては、卒業から5年未満(約23歳未満)が受験資格となります。(試験年度によって異なる場合があります。)
また、大学程度試験は区分(試験の難易度)を示しており、短大卒、高校卒でも受験することができます。
皇宮護衛官採用試験の受験資格の例皇宮護衛官採用試験の受験資格の例
大卒程度試験 (2024年度) |
○平成6年4月2日~平成15年4月1日生まれの者 ○平成15年4月2日以降生まれの者で次に掲げるもの (1)大学を卒業した者及び令和7年3月までに大学を卒業する見込みの者並びに人事院がこれらの者と同等の資格があると認める者 (2)短期大学又は高等専門学校を卒業した者及び令和7年3月までに短期大学又は高等専門学校を卒業する見込みの者並びに人事院がこれらの者と同等の資格があると認める者 |
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高卒程度試験 (2023年度) |
(1)令和5年4月1日において高等学校又は中等教育学校を卒業した日の翌日から起算して5年を経過していない者、及び令和6年3月までに高等学校又は中等教育学校を卒業する見込みの者 (2)人事院が(1)に掲げる者に準ずると認める者 |
出典:2024年度 皇宮護衛官採用試験(大卒程度試験)、2023年度 皇宮護衛官採用試験(高卒程度試験)
また、上記受験資格の他に、日本国籍を有しない方、国家公務員法第38条の規定により国家公務員となることができない方は試験を受けることができません。
皇宮護衛官採用試験の身体基準(身長・体重等)
皇宮護衛官採用試験では、受験資格の他に身体基準が定められており、以下に該当した場合、試験は受けることができますが不合格となります。
身長 | ○男子160cmに満たない者 ○女子148cmに満たない者 |
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体重 | ○体重が男子48kgに満たない者 ○女子41kgに満たない者 |
色覚 | ○色覚に異常のある者(ただし、職務遂行に支障のない程度の者は差し支えない。) |
視力 | ○視力(裸眼又は矯正)が次のいずれかに該当する者 ・どちらか一眼でも0.5に満たない者 ・両眼で0.8に満たない者 |
その他 | ○四肢の運動機能に異常のある者 |
体重などは基準の数値に満たすよう、事前に努力する必要があります。
1次試験の基礎能力試験と課題論文(作文)試験の内容と難易度
皇宮護衛官採用試験では、1次試験では基礎能力試験と課題論文(作文)試験の筆記試験が行われます。
大卒程度試験では、大学卒業レベルの基礎能力試験と課題論文試験、高卒程度試験では、高校卒業程度の基礎能力試験と課題試験が行われます。
具体的な試験内容については以下の通りです。
大卒程度試験の筆記試験内容皇宮護衛官採用試験(大卒程度試験)の筆記試験内容
基礎能力試験 (多肢選択式) |
概要:公務員として必要な基礎的な能力(知能及び知識)についての筆記試験 出題数:30題 内容:「知能分野24題 (文章理解⑩、判断推理⑦、数的推理④、資料解釈③) 」「知識分野6題(自然・人文・社会に関する時事、情報⑥)」 時間:1時間50分 |
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課題論文試験 | 概要:文章による表現力、課題に対する理解力・判断力・思考力などについての筆記試験 出題数:2題 内容:「時事的な問題に関するもの1題」「具体的な事例課題により、皇宮護衛官として必要な判断力・思考力を問うもの1題」 時間:3時間 |
皇宮護衛官採用試験(高卒程度試験)の筆記試験内容
基礎能力試験 (多肢選択式) |
概要:公務員として必要な基礎的な能力(知能及び知識)についての筆記試験 出題数:40題 内容:「知能分野20題(文章理解⑦、課題処理⑦、数的推理④、資料解釈②)」「知識分野20題(自然科学⑤、人文科学⑨、社会科学⑥)」 時間:1時間30分 |
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作文試験 | 概要:文章による表現力、課題に対する理解力などについての筆記試験 出題数:1題 時間:50分 |
皇宮護衛官採用試験・筆記試験の難易度と配点
国家総合職や国家一般職の試験と比較した場合、筆記試験に関してはそこまで難易度は高くありません。
ただし、国家公務員試験のため、難しいことに変わりはありません。そのため、筆記試験の試験対策や、過去問などの問題を確認しておくことは必要です。
以下の人事院のサイトから、過去の試験内容も確認することができます。
※「参考」の部分のリンクを確認しておきましょう。
また、公務員試験の傾向として、年々人物試験の配点が高くなる傾向があります。
皇宮護衛官採用試験の配点について
皇宮護衛官採用試験の配点は、配点比率が決められており、「基礎能力試験が5分の3(100点満点では60点)」「課題論文試験が5分の2(100点満点では40点)」です。
また、2次試験で行われる人物試験・身体検査・身体測定・体力試験の配点は公開されていません。
皇宮護衛官採用試験の体力測定の内容
皇宮護衛官採用試験には、2次試験に体力測定があり、2024年度の大卒程度試験では、以下の内容が基準となります。
立ち幅跳び (瞬発力) |
内容:立位姿勢から両足不向きりで前方にどれだけ跳躍することができるかを検査 基準:男子205cm、女子147cm以上が基準 |
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反復横跳び (敏捷性) |
内容:100cm間隔に引かれた3本のライン上で20秒間のうちに何回サイドステップすることができるか検査 基準:男子44回以上、女子37回以上が基準 |
上体起こし (筋持久力) |
内容:ひざを曲げ、あおむきにネタ姿勢から、30秒間のうちに何回上体を起こすことができるかを検査 基準:男子21回、女子13回以上が基準 |
皇宮護衛官を目指す場合は、日頃からの体力づくりも必要です。また、高卒程度試験でも同一の内容である場合がほとんどです。
皇宮護衛官採用試験の倍率・採用予定人数
皇宮護衛官採用試験の競争倍率は、2023年度の大卒程度試験では6.5倍、高卒程度試験では6.7倍となっております。
募集要項に記載される採用予定人数については参考程度にとどめておき、まずは皇宮護衛官採用試験に合格することを目指しましょう。
以下は、直近の皇宮護衛官採用試験の競争倍率一覧です。
皇宮護衛官採用試験(大卒程度試験)の競争倍率
試験年度 | 競争倍率 | 採用予定数 | 申込者数 | 1次試験 | 1次合格 | 2次試験 | 最終合格 |
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2023年度 | 6.5倍 | 約30名 | 856人(272人) | 383人(131人) | 221人(90人) | 181人(74人) | 59人(17人) |
2022年度 | 17.8倍 | 約10名 | 857人(246人) | 410人(141人) | 83人(33人) | 66人(25人) | 23人(5人) |
2021年度 | 9.9倍 | 約20名 | 989人(272人) | 548人(177人) | 200人(72人) | 158人(56人) | 56人(18人) |
出典:人事院・皇宮護衛官採用試験(大卒程度試験)
※「()」内は女性の人数です。
皇宮護衛官採用試験(高卒程度試験)の競争倍率
試験年度 | 競争倍率 | 採用予定数 | 申込者数 | 1次試験 | 1次合格 | 2次試験 | 最終合格 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2023年度 | 6.7倍 | 約15名 | 301人(115人) | 154人(66人) | 138人(57人) | 114人(48人) | 23人(7人) |
2022年度 | 16.0倍 | 約8名 | 405人(124人) | 209人(66人) | 73人(23人) | 67人(20人) | 13人(5人) |
2021年度 | 9.2倍 | 約20名 | 388人(125人) | 211人(78人) | 138人(50人) | 122人(43人) | 23人(5人) |
出典:人事院・皇宮護衛官採用試験(高卒程度試験)
※「()」内は女性の人数です。
採用後、皇宮警察学校に入校
皇宮護衛官採用試験に合格し、採用後は皇宮巡査に任命されます。
その後、皇居の中にある皇宮警察学校(全寮制)において、経歴に合わせて以下の期間、教養訓練を受けます。
経歴 | 期間 |
---|---|
大卒経歴者 | 6ヶ月間 |
大卒以外 | 10ヶ月月間 |
教養訓練では、憲法・行政法・警察法などの基礎学科をはじめ犯罪捜査・鑑識などの実務、柔道・剣道・逮捕術・拳銃などの訓練を受けます。
また、皇宮警察学校は全寮制で、どんなに自宅が近くても通学は認められていません。
皇宮護衛官の中途採用(武道有段者選考採用試験等)も稀にある
毎年行われる国家公務員試験である「皇宮護衛官採用試験」の他に、皇宮護衛官の選考試験(中途採用)がある場合もあります。(年度によって実施されるかは異なります。)
例として2023年度では、武道有段者を対象に、皇宮護衛官の選考試験が行われました。
そのため、皇宮護衛官採用試験に落ちた方や、中途採用で皇宮護衛官を希望する場合は、公務員試験情報を随時チェックしておきましょう。
皇宮護衛官の選考試験例皇宮護衛官の選考試験例(2023年度)
学歴等 | 2023(令和5)年4月1日において、高等学校又は中等教育学校を卒業している者又は卒業している者と同等の資格があると認める者 |
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年齢等 | 年齢制限の記載なし(定年年齢まで応募可能) |
受験資格 | (1)柔道二段又は剣道三段以上の者 ※段位については、柔道は講道館、剣道は全日本剣道連盟から授与されたものに限る。 (2)過去5年間(2018(平成30)年4月1日~2023(令和5)年3月31日)に下記ア、イ、ウのいずれかの実績がある者 ア:全日本柔道(剣道)連盟が主催、共催、主管又は後援する全国規模の競技大会において、個人戦に出場した者又は団体戦に登録された者 イ:都道府県柔道(剣道)連盟が主催、共催、主管又は後援する都道府県規模以上の競技大会(アに該当するものを除く。)において、個人戦又は団体戦で上位4位以内に入賞した者 ウ:全日本学生柔道(剣道)連盟が主催、共催、主管又は後援する全国規模の競技大会(アに該当するものを除く。)において、個人戦で上位8位以内に入賞した者 |
皇宮護衛官の階級とキャリア
皇宮護衛官採用試験に合格し採用されると、皇宮巡査に任命されます。
その後、階級は皇宮巡査部長、皇宮警部補、皇宮警部へと昇進します。この過程では、大学卒業者、短期大学・専門学校卒業者、高校卒業者といった学歴・性別に関わらず、特定の勤務年数や実績に基づき、昇任試験を受けることによって階級が上がります。
階級 | 受験資格 |
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皇宮巡査 | 採用後に任命される |
皇宮巡査部長 | ・大学卒業者:採用後2年 ・短大・専門卒業者:採用後3年 ・高校卒業者:採用後5年 |
皇宮警部補 | ・大学卒業者:皇宮巡査部長の実務2年 ・短大・専門卒業者:皇宮巡査部長の実務3年 ・高校卒業者:皇宮巡査部長の実務3年 |
皇宮警部 | 皇宮警部補の実績4年 |
皇宮警視 | 選考 |
皇宮警視正 | 選考 |
皇宮警視長 | 選考 |
皇宮警視監 | 選考 |
昇進に際しては、巡査部長任用科や警部補任用科などの階級に応じた研修を受けることになり、警察庁や他の警察本部への出向、国内外での研修を通じてキャリアを築いていきます。
加えて、語学力・白バイ技能・騎馬技能・武道指導等の研修制度もあります。
皇宮護衛官は一般の警察官とは異なり、「警察法 第69条 第1項(皇宮護衛官の階級、職務等)」によって独自の階級が法律で定められており、皇宮警視以上の階級への昇進には選考が必要です。
(側に言う警察キャリア、ノンキャリアとは異なるため注意してください。)
また、この選考には、国家総合職採用試験に合格したいわゆるキャリア組が皇宮護衛官を希望する場合も含まれます。
警察法 第69条 第1項(皇宮護衛官の階級、職務等)警察法 第69条 第1項(皇宮護衛官の階級、職務等)
皇宮護衛官の階級は、皇宮警視監、皇宮警視長、皇宮警視正、皇宮警視、皇宮警部、皇宮警部補、皇宮巡査部長及び皇宮巡査とする。
出典:e-GOV法令検索 昭和二十九年法律第百六十二号 警察法
皇宮護衛官の平均年収と給料
皇宮護衛官の給与は、「一般職の職員の給与に関する法律」の規定により公安職俸給表(一)が適用されます。
2023年に人事院が行った「令和5年国家公務員給与等実態調査の結果」によると、皇宮護衛官の平均月額俸給は323,004円、平均給与は382,749円です。
皇宮護衛官の平均ボーナス(期末・勤勉手当)は、年間約145万円、平均年収は約604万円になります。
平均俸給/月 | 323,004円 |
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平均給与/月 | 382,749円 |
平均ボーナス (期末・勤勉手当) |
約1,453,518円 |
平均年収 | 約6,046,506円 |
※俸給は国家公務員に支給される、諸手当を除いた基本給与
※平均ボーナス(期末・勤勉手当)の計算式:平均俸給×4.5
※平均年収の計算式:平均給与×12ヶ月+平均ボーナス(期末・勤勉手当)
※出典:人事院・令和5年国家公務員給与等実態調査の結果、令和5年給与勧告の骨子
皇宮護衛官に関する良くある質問
以下に皇宮護衛官に関するよくある質問をまとめています。気になる項目は確認してください。
皇宮護衛官の女性はどれぐらい採用される?
皇宮護衛官採用試験は、性別を問わず、試験成績を総合的に評価し、成績上位者を優先して採用する方針を採っています。
その結果、女性の採用人数に特定の定数は設けられていません。
また、皇宮護衛官採用試験(大学卒業程度)における女性の合格率は、2023年度に40.8%、2022年度に37.9%、2021年度に35.4%と、年々増加傾向にあることが確認できます。
さらに、1次試験の受験者における男女比は、毎年大体7対3で、男性受験者が多くを占めています。
(参照:皇宮警察本部Q&A)
既卒でも皇宮護衛官になれますか?
皇宮護衛官採用試験の受験資格を満たし、合格すれば、学校卒業後に未就職の既卒者も皇宮護衛官として働くことが可能です。
皇宮護衛官に最終合格し、採用漏れになる確率は?
正確なデータは提供されていませんが、皇宮護衛官の最終合格後に採用漏れとなる確率は極めて低いとされています。
採用予定数の約1.5倍から2倍の候補者が最終合格しても、実際に採用漏れになるのは合格者の中で10%未満です。
この低い採用漏れ率の背景には、公安系国家公務員を目指す受験生が、国家総合職試験や地元警察(地方公務員警察官)も併せて受験しているという事情があります。多くの受験生にとって第一志望が地元警察など他の公安職であるため、複数の職種に合格した場合、他の選択肢を優先することが、採用漏れ率の低さに繋がっていると考えられます。
皇宮護衛官採用試験で身辺調査は行われますか?
皇宮護衛官は警察官の職務を担うため、1次試験や2次試験の過程で身辺調査が実施されるとされています。
この調査は、応募者の背景、性格、適性などを詳しく調べ、警察官として倫理的および法的な基準に適合する適任者かどうかを判断する目的で行われます。
身辺調査の具体的な内容は、採用を担当する部署以外には公開されておらず、正確な詳細は不明です。そのため、身辺調査に関する不確かな情報に惑わされないよう注意が必要です。
まとめ
国家公務員の警察官になるためには、「皇宮護衛官採用試験(大卒程度試験)」又は、「皇宮護衛官採用試験(高卒程度試験)」に合格することで、警察庁に属する皇宮警察本部の皇宮護衛官として採用されます。
また、皇宮護衛官採用試験では、性別に関わらず、実力主義に基づいた公正な選考が行われ、女性の合格率は年々向上しています。
皇宮護衛官として働くことは、単に安全を守るだけでなく、国家の象徴としての皇族を護るという高い誇りと使命感を持つ職務です。
この記事を通じて、皇宮護衛官という職に興味を持った方々が、その挑戦に一歩踏み出すきっかけとなれば幸いです。