東京都は2022年から教員免許を持たない40歳以上を対象に、合格から2年以内に教員免許を取得する制度で、教員採用を強化してきました。
この制度による22年度試験は28人中9名が合格しています。
(文部科学省によると、免許取得まで一定期間の猶予を与える選考制度は全国で他に例がないそうです。)
東京都は、この制度の年齢要件を2023年度から以下のように大幅に引き下げたことで、話題となっています。
2022年度 | 2023年度 | |
---|---|---|
年齢制限 | 40歳以上 | 25歳以上 |
そのため、2023年度からの教員採用試験の受験資格は、以下のように変更されます。
- 2年以上の社会人経験があること
- 25歳以上であること
以上の条件を満たしていれば、教員免許を持っていなくても採用試験を受けることが可能になる制度です。
また、実際に教師として教壇に立つためには、採用決定後(合格から)、2年以内に教員免許を取得する必要があります。
採用決定後の教員免許取得までは、無収入になることから、別の仕事をして生計を立てながら教職課程を履修することも可能となります。
2023年度の東京都 公立学校教員採用試験の受験者数は7,911人となっており、過重労働や若者の減少等が原因で2014年度と比較して半減していることが現状です。
この東京都が行った制度は、退職前に採用の保証が得られるため、人材募集が増える可能性があり、積極的に25歳以上の第二新卒等を採用する狙いがあります。
一方で、25歳以上に引き下げることで、以下のようなことも懸念されております。
- 教員の質の低下
- 引き下げられても教員にはならない可能性もある
- 教員が減少している根本的な解決にならない
そのため、この引き下げは、東京都の教員不足の解決につながるか、注目が集まっていると言えるでしょう。