山形県上山市では、市内外の地域の発展や活性化につながる活動であることを条件に、職員の副業を認める新たな基準を定め、2023年5月11日から運用を始めました。
山形県や、寒河江市などは、サクランボの収穫時期に限り、職員(地方公務員)の副業を認める制度が設けられていますが、地域の発展・活性化につながる活動に限り、副業を認める制度は、山形県内初となります。
きっかけは、上山市の若手職員の要望からで「仕事上、町づくりに関わることが多く、民間事業者が市内でマルシェ(市場や朝市)など面白い取り組みをする人が増えている」『自分たちも何か面白いことをやりたいということがきかっけで、「副業制度(地域活動応援制度)の創設について(提案)」を提案した』とのことで、具体的な運用基準の必要性や、具体的な効果を資料にまとめ、当時副市長だった、山本市長に今年の1月に提出、今回の運用開始に繋がりました。
マルシェとはフランス語で「市場」を意味する言葉です。個人単位(またはそれに近い規模の業者)が人通りの多い場所に集まって出店した集合体を指し、「朝市」も含まれています。
引用:「マルシェ」とは何?(SHOPCOUNTER MAGAZINE)
地方公務員の副業は、法律で制限されていますが、市長などの任命権者の許可があれば認められます。
副業制度が採用されたことで、若手職員は「何か始めようと思っていて始められない職員も、制度ができたことによって身近に最初の一歩を踏み出すことができる」と回答しました。
今回の上山市の副業制度に関する新たな基準は、以下の通りです。
労働時間 | 月30時間、平日は1日3時間以内 |
---|---|
収入 | 地域貢献活動として許容できる範囲 |
上山市 庶務課 尾形課長は、今回の副業制度に関して「自ら考えて、地域に入っていくということで、職員のスキルアップに大きく期待できるのではないか」「町おこしなどの担当になった時も(副業を)生かせるのではないかと、大いに期待している」とコメントしました。
参照:公務員の副業OK 地域の発展・活性化条件に 山形・上山(YBC)
今後、上山市の影響を受け、山形県内の市町村等で新たな副業制度ができる可能性があるでしょう。
また、同じ山形県内の職員(地方公務員)の声としては、「(副業制度は)若い人が自分からやりたいと提案したことは、やってくださいと言われたことではないため、地域改革につながるのではないか」「副業をやってみたいという気持ちがあったが、自分の立場が公務員ということで弊害があった」などの声が見受けられ、さらに副業制度が県内に広がる可能性を秘めているでしょう。